[高野山・根本大塔から / 2012.1.2]
高野山の中心的な存在である根本大塔は、立体的なマンダラになっている。胎蔵マンダラを、建築空間と仏像によって構成したものだ。
さて、密教は、机に向かって勉強するものではなく、自らの身体を通じて感得するものらしい。
では自分の身体で、いかにこの根本大塔の立体マンダラを体験してみようか。
自分なりに思いついたのは、
「お堂の中をぐるぐる回る」ということ。
回廊状の構成のお堂は回遊できる。
じっと座って、仏像と対峙するのもいいが、
歩きまわると、立体的なマンダラの構成を、身体で把握できるのだ。
また、柱によって仏像が見え隠れするシークエンスは変化に富み、密教の森を歩くようである。
結局、30周くらいしただろうか。
我ながら、ヒマな人間だとも思う。
が、密教の読書だけではわからない、マンダラの理解になった。
お堂の外へ出ると、夕暮れ時の空。
延々と歩き回って、高揚していたのかもしれない。
ゆっくりとした雲の流れを見て、ほっとした。